PAOO(periodontally accelerated osteogenic orthodontics)とは
歯を支える骨に対して外科処置(傷をつけます・穴を作ります)を施し、矯正治療を行う方法です。スピード矯正(治療期間を大幅に短縮する矯正)の1つとしてPAOOを用いることがあります。また、PAOOは歯周病患者、歯槽骨(歯を支えている骨)がなくなってしまった方の矯正治療としても有用です。矯正治療後の予後が良いのもPAOOのメリットの1つです。
PAOOの流れ
矯正装置を装着後、歯茎を剥離して骨に小さな穴のような傷をつけていきます。骨移植材を填入し、剝離した歯茎を縫い合わせて矯正治療を開始します。
PAOOの治療期間
PAOOの治療期間は5~10か月くらいです。通常の矯正治療の治療期間が平均2~3年ですから大幅に期間を短縮することができます。
PAOOはどのような人が受けているのか?
- 歯周病で矯正治療はできないと言われた人
- かみ合わせを改善したいが重度の歯周病で矯正治療ができないと言われた人
- 歯を支える骨が少なくて矯正治療ができないと言われた人
- 矯正治療を6か月以内など短期で終わらせたい人(個人差があり必ず6ヶ月以内で終わるとは限りません)
PAOOのメリット・デメリット
メリット
- 矯正治療期間の大幅な短縮
- 矯正治療の予後の安定性(後戻りしにくい)
- 矯正治療における歯根吸収の回避
- 矯正治療の痛みの軽減
- 重度歯周病の方でも矯正治療が可能になる
デメリット
- PAOOを受けられる医療機関が少ない
- 手術をしなければならない
PAOOの痛み
外科処置となるので痛みが心配という方も多いですが、麻酔をして手術を行いますのでご安心ください。
PAOOの費用は?
健康保険が適応外の処置になるため、医療機関によって費用が異なります。当院の場合、片顎350,000円で行っています。
PAOOが受けられる医院はどこか?
PAOOは、外科処置(歯茎を剝離し、歯槽骨に切開)が必要なため矯正専門クリニックでは行っていません。PAOO を受けるには、
- 外科医(歯科医)と矯正医が連携しているクリニック
- 矯正ができる外科医(歯科医)がいるクリック
を探す必要があります。