骨(歯槽骨)が薄いと歯肉退縮や歯根露出など矯正治療の予後が悪くなる可能性があります。しかし、PAOO法であれば、骨が少ないので矯正治療ができないと言われた方でも矯正治療をすることが可能です。
矯正治療と歯肉退縮の予知性
予知性とは、治療の予後がどうなるかを予測することを指します。治療後に歯肉退縮を起こしてしまうかどうかを事前に審査・診断して、治療を行っても大丈夫かを判断します。
矯正治療における歯肉退縮の予知性を高めるためには、CT撮影が必要です。CT撮影を行うことで、その患者さんのバイオタイプ(Maynard Classification)を見極めることができるからです。
Maynard Classificationとは
Maynard Classificationとは、骨や歯肉の厚みの状態によって歯肉退縮のリスクを評価する分類法です。
Type1 | Type2 | Type3 | Type4 | |
---|---|---|---|---|
骨(歯槽骨) | 厚い | 厚い | 薄い | 薄い |
歯肉 | 厚い | 薄い | 厚い | 薄い |
リスク度の高い分類でもPAOO法であれば矯正治療が可能な理由
CT撮影を行い、Maynard Classificationの分類で歯槽骨の状態を確認した結果、もし、歯槽骨の状態がType3やType4の場合、矯正治療を始めてしまうと歯肉退縮、歯根露出してしまう可能性があります。このような場合、通常の矯正治療を行うことはおすすめしません。
矯正治療は歯を動かしていきますが、歯(正確には歯の根は)は骨の中を動いていっています。Type3やType4のように歯槽骨が薄いのに、歯を動かしていくと歯の根が歯槽骨を突き出てしまいます。(歯肉退縮、歯根露出の状態)
PAOO法とは、骨移植材を填入し、歯槽骨を増大(または再生)しながら矯正治療を行う手法です。歯槽骨を厚くし、歯が動いても歯肉退縮、歯根露出しないようにします。
PAOO法であれば、
- 歯周病で矯正治療はできないと言われた人
- 歯を支える骨が少なくて矯正治療ができないと言われた人
のような方でも矯正治療が可能となります。
Maynard Classificationの分類でリスクが高いとされるType3やType4でもPAOO法であれば予知性の高い矯正治療を行うことが可能です。