歯周組織再生療法とは、歯周病で溶けてしまった骨を回復させることを目的として行います。
*歯周病とは?
歯周病と虫歯の違いについて
・虫歯・・・”歯”そのものが破壊されていく病気
・歯周病・・・”歯を支える周りの組織”が破壊されていく病気
歯周病には軽度~重度とさまざまなレベルがありますが、
自分で気づかない軽度の歯周病も含めると、5人中4人以上が歯周病にかかっているといわれて
いるのが現状だそうです。
この歯周病は歯を失う最も大きな原因といわれています。
*歯周病はどうして起こる??
歯周組織は、歯肉(歯茎)と歯槽骨(歯を支える骨組織)・歯根(歯の根元)を覆うセメント質・歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜からなっており、歯を
正しい位置にしっかりと固定・付着するための強固な構造を備えています。
しかし、日頃の歯磨きが不十分で、歯と歯肉の間に細菌が住み着いて、歯垢(プラーク)が溜まると、そこに炎症が引き起こされます。これが、歯周病への一歩です。
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歯周病が進行すると??
歯周病になっていても、最初のうちは自覚症状がありません。鏡でも気づかないと思いますが、
日がたつにつれ、そのうち歯肉が赤くなったり、腫れたりします。プラークが石灰化し、歯石になると、自分では取り除けなくなり、
歯周病が悪化してしまいます。歯周病の悪化とともに歯と、歯肉が付着している部分にすきまができます。その隙間を歯周ポケットといいます。
この歯周ポケットの値が大きく歯周病と関わってきます。
炎症が歯肉の内部に進行すると、歯根膜や歯槽骨が破壊され、歯を固定する力が
だんだん弱くなり、歯が支える部分がなくなっていきます。
この状態のまま放っておくと、ついに歯を失うことになります。
*歯周病の治療法は?
先程お伝えしたように歯周病には軽度から重度までさまざまです。
歯周病が軽度の場合は、歯や歯の周りを清潔に保つ治療を続けることでなおすことができます。
ですが、炎症が歯肉の奥まで進行し、歯周組織が大きく破壊されている場合は、歯周組織を回復するための歯周外科手術が
必要になります。
代表的な歯周組織再生療法には、次のようなものがあります。
〇骨移植 (自家骨移植、他家骨移植、人工骨移植があります)
〇エムドゲイン (骨を作るかも?と言われている薬剤を使う方法です)
エムドゲインゲル(EMD)はスウェーデンのビオラ社で開発された歯胚組織を使用した新しい歯周組織を使用した新しい歯周組織再生材料です。
主成分は子供のころ歯が生えてくるときに重要な働きをするタンパク質の一種です。現在の下顎水準に基づく高い安全性確保の元、
幼若ブタの歯胚から抽出精製したもので世界44ヵ国以上で使用されています。
当院でもエムドゲインを使用する歯周組織再生療法を積極的に行っています。
今回は、実際に当院でエムドゲインを使用した歯周組織再生療法についてご紹介します。
この方は、この後、矯正をし補綴をし、最終的にはこのように歯と歯ぐきの間の隙間もほぼなくなり、美しい口腔内になりました♪
歯周組織再生療法は歯肉を切って骨を露出させる必要があるので、ほとんどの場合、歯周外科治療と同時に行います。
治療が成功するかどうかはどの方法を用いて治療を行ったのかということよりも、スケーリング・ルートプレーニングによって感染物質が徹底的に除去できているかどうかや、毎日のプラークコントロールがしっかりとできているかどうかなどがポイントとなります。